熊野古道伊勢路を歩く。

幸結びの路

観光情報

熊野川の三反帆

マイナスイオンを感じに 川の幸

もうひとつの熊野古道
「川の参詣道」をする。

熊野三千六百峰に囲まれ、悠然と流れる熊野川を川舟で下る。

 険しい峠をいくつも越え、木々が鬱蒼と生い茂る山道を黙々と歩む―。熊野詣に、そんなイメージを抱く人は多いかもしれません。でも熊野古道は、もうひとつの大切な顔を持っています。それが、”川の参詣道”。かつて、熊野本宮大社から速玉はやたま大社へ詣でる人を舟で運んだルートです。この区間は、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部に登録され、当時、世界で初めて”川の世界遺産”になりました。 “暴れ川”と呼ばれた熊野川の急流に負けず旅人や生活物資を運んだのが、平安の昔から続く伝統の川舟「三反帆さんだんぽ」3枚の帆を帆柱に掲げ風を捉えて進む、特徴的な舟です。現在も「熊野川体感塾」で三反帆による川下りを体験でき、両岸の雄大な景観や鳥の声を楽しみながら巡るゆったりとした川の旅は、クセになりそうな気持ち良さです。船頭、そして熊野川流域で唯一の川舟大工でもある、谷上嘉一さん。子どもの頃から慣れ親しんできた熊野川の”幸”を尋ねると「天然の鮎、うなぎ、ウグイ、ズガニ(モクズガニ)…」と、清流ならではの天然の美味を教えてくれました。「この川に育ててもらったから、今、恩返しをしている」と言う谷上さん。彼自身が、大切な”川の幸”だと実感します。

 ほかにも、紀北町の清流・銚子川や各地域で見られる名瀑など、東紀州には美しい水の名所が点在しています。古道歩きの途中、心癒される涼やかな時を過ごせそうです。

川の幸図鑑

深い山間を抜け、熊野灘へと注ぐ清流。そこから、たくさんの”川の幸”が生まれている。

銚子川
(紀北町)

透明度が非常に高く、河口では海水と淡水の境界が見える。

赤倉のあまご
(熊野市)

熊野川上流で養殖されるあまご。見た目が美しく臭みがないのが特徴。

布引(ぬのびき)の滝
(熊野市)

日本の滝100選のひとつ。修験道の行場であったことでも知られる。

飛雪(ひせつ)の滝
(紀宝町)

徳川頼宣の漢詩に由来するという由緒ある名瀑。周辺には遊歩道も。